一般的なファクタリングは企業が所有している売掛債権を売却し、儲けを前倒しして受け取るというものです。
医療ファクタリングの場合、基本的なシステムは一般的なファクタリングと同じです。
しかし大きく異なるのは売却されるのは売掛債権ではなく、診療報酬債権ということです。
また請求先は社会保険診療基金や国民健康保険団体連合会です。
では業者に診療報酬債権を売却してファクタリングを行う場合、どのような作業が必要となるのか、企業が行うファクタリングと見比べながらチェックしていきましょう。
医療ファクタリングの流れは、一般企業が行うファクタリングとほぼ同じです。
そして多くの場合、申し込みを行ってから実際に現金が手元に届くまでに2、3か月かかります。
また申し込みを行う際に覚えておくべき点としては、医療ファクタリングの場合はほぼ3社間ファクタリングになるということです。
しかし取引相手が社会保険診療基金や国民健康保険団体連合会であるために、ファクタリングを行っていることが知れたからと言って今後の業務に大きな影響が及ぶ可能性はそれほど高くありません。
そして3社間ファクタリングであるために、ファクタリングを申し込んだ医療機関は売掛先に対して診療報酬債権をファクタリング会社に譲渡したことを通知する義務があります。
一般的な企業が行うファクタリングの場合、手続き終了後に手数料が差し引かれた額の売掛金を手にすることができます。
しかし医療ファクタリングの場合、診療報酬債権の80%程度のお金を渡されることになります。
なぜこのような状況が生じるかというと、診療報酬額は請求した額全てが必ず支払われるわけではないからです。
請求額に対して社会保険診療基金や国民健康保険団体連合会の審査が入り、正当と思われる場合にのみ全額支給となるわけです。
そのため全額支給の決定がなされた後に残りの20%が支払われ、その後ファクタリング業者に手数料を支払って全てが終了となります。
この点はしっかりと覚えておく必要があります。
一般的なファクタリングとは異なり、医療ファクタリングには様々なメリットが存在します。
たとえば取引先が国の機関であるため、ファクタリング業者はスムーズに手続きを進めてくれます。
また3社間ではあるもののファクタリングを行ったという事実が経営に及ぼす影響が少なく、尚且つ手数料も低く抑えられています。
今回は主に病院やクリニックなどが行う医療ファクタリングについてご紹介しましたが、介護施設からのファクタリングなども医療ファクタリングとなり、取引先は国の機関となりますので、一般的な流れは同じような形となります。