ファクタリングサービスは不安定な売上金に支えられている事業者にとっては欠かせない現金調達の方法ですが、同じく不安定なフリーランスには使いにくさもある制度となっています。
フリーランスの人がファクタリングでお金を用意するためには複数の問題を解決していく必要があるため、あまり気軽に使うことはできません。
しかしフリーランスでもファクタリングを利用すること自体は可能なので、いざという時に備えてその方法を勉強しておくことは重要と言えるでしょう。
ファクタリングは基本的に、将来必ず入金される売上金を担保にした金融サービスとなっています。
たとえばファクタリングの利用率が非常に高い建設業界の場合、取引相手は自治体などが多く売上金が入ってこない可能性というのはまずないでしょう。
それに対してフリーランスは取引相手そのものも同じくらい不安定であることが珍しくありません。
つまり将来入ってくるはずの売上金が本当に振り込まれる保証が弱いため、ファクタリング業者としてもそれを安易に買い取ることはできないというわけです。
またフリーランスで仕事をしていると、業界の慣習として請求書などを作らずに口約束のような形になることもよくあります。
ファクタリングでは原則として売掛債権の証明として請求書を買い取ることになっています。
請求書がないと売掛債権の証明が立てられずファクタリング自体が成立しなくなってしまうというのもフリーランスのファクタリング利用を難しくする一因となっています。
フリーランスがファクタリングを利用できない原因は、フリーランス独特の商習慣が他のファクタリング利用業界と噛み合っていないという点に集約することもできます。
つまり逆に言うと、フリーランス専用のファクタリングサービスがあればいいということになります。
実際にそうしたコンセプトからフリーランス向けを名乗るファクタリングサービスはいくつか登場しており、徐々に認知度を上げてきています。
ただフリーランス専用となると範囲が狭くなってしまうため、通常のファクタリングと比較して一部のサービスには制約が設けられています。
たとえばファクタリングで調達可能な金額上限が他業種と比べて極端に低いといった部分は意識しておくべきでしょう。
フリーランスは売掛債権の証明が難しいこともあって、ファクタリングの利用にはあまり向いていない状況に置かれています。
しかし逆にフリーランス専用に振り切ることでサービスを展開する業者も増えてきているため、今後はフリーランスのファクタリング利用も拡大していく可能性は高いと言えるでしょう。
現時点は利用可能な上限額が低いといった問題はありますが、それでもフリーランスにとってファクタリング現金化が大きな力となるのは間違いありません。