■資金繰りで困ったときにファクタリングを選択肢に
企業の資金繰りと言うと、銀行からの融資や借金などを思いうかべる人も多いものです。
しかし現代には、ファクタリングという便利なサービスがあります。
ファクタリングを「うさんくさい」「借金のようなリスクがあるのでは」と考えるのは、良くありません。
ファクタリングは法律的に禁止されている部分もなく、透明性の高い取引も可能です。
まずは正しくファクタリングの仕組みを知ることから、資金繰りを始めてみてはいかがでしょうか。
■ファクタリングのメリットとは
すぐに現金化できる、信用情報にマイナスが計上されない、返済義務がない。
ファクタリングには多くのメリットがあります。
ファクタタリングはもともと、商売などで利益が発生した際に現金を回収することが出来る「売掛債権」を持っていることが前提のサービスです。
信用取引が行われている企業間の商売では、「売掛債権」を持っていても規定の日付が来なければ現金・売上になりません。
個人事業主や中小企業が黒字なのにも関わらず、倒産してしまうのにはこの「売掛債権」を現金化するまで、資本が持たなかったというケースが多々見られます。
ファクタリング会社はこの「売掛債権」を企業から買い取り、即日現金化してくれるサービスです。
たとえば突然、現金が必要になったときに「売掛債権」だけあっても、期日を待つしかありません。
ファクタリング会社に依頼をすることで、自由に使える現金を手にすることが出来ます。
これで材料の仕入れを行ったり、給与を支払うといった自由な資金の使い方が出来るのです。
資金調達と聞いてまず思い浮かぶのは、銀行からの融資です。
しかし、長引く不況のせいで銀行の審査そのものが厳しくなりつつあります。
そのため銀行からの融資を断られてしまった、と悩む方も少なくありません。
ファクタリング会社を利用する場合も、審査は存在します。
しかし銀行より厳しいことはありません。
審査対象はファクタリング利用会社と、その売掛先です。
この場合、売掛先の審査のほうが厳しく、ファクタリング利用会社のほうは審査そのものが短く済むことがほとんどとなっています。
借り入れやビジネスローンのように、保証人または担保も必要ありません。
借金とは性質が異なるためです。
ファクタリング会社が直接、融資をするわけではないという点も覚えておきましょう。
■2社間ファクタリングとは
ファクタリングの仕組みのひとつが「2社間ファクタリング」です。
この方法の肝心な部分は「ファクタリング会社と、取引先のやり取りがない」という点です。
この理由は「取引先」=「売掛先」に許可を得ず現金化を実行するからと言えます。
まず始めに、自社が通常の取引を行い売掛金を発生させます。
自社は、その売掛債権をファクタリング会社に譲渡するのです。
ファクタリング会社はそれを受け、売掛金の売却代金を現金化をしたい自社に渡します。
実際に売掛金が取引先から支払われたあとは、その売掛債権を持つファクタリング会社に支払います。
これで、取引は完了です。
自社にとって入金待ちであった売掛金をすぐに現金化できるという面や、期日をかなり短縮して現金を手にすることが出来る点は、中小企業にとって大きな魅力です。
「2社間ファクタリング」の2社は、ファクタリング会社と現金化を望む利用会社のことを意味しています。
「3社間ファクタリング」のように、取引先を巻き込んでの承諾や通知は必要ありません。
取引先の信用をなくしたくない、という時には便利な資金の調達方法です。
ただし、その分ファクタリング会社にとってはリスクが高い取引となります。
その理由は、売掛債権の現金化をした上で、実際に資金が会社に入った場合にそのままファクタリング会社にお金を入れないという手口が考えられるからです。
その分手数料は高く、「3社間ファクタリング」よりプラス10%ほどの手数料が要求されます。
また、これを借金の返済ではないかと勘違いし、違法という声もいまだに聞かれるものです。
しかしこれは、もともと会社にあった売掛債権をファクタリング会社に譲渡しています。
民法により債権譲渡は自由、と認められているので行為自体、全く問題がないのです。
債権の流動化は国自体が促進している資金繰り方法のひとつでもあります。
安心して利用することをおすすめします。
■3社間ファクタリングとは
「3社間ファクタリング」とは、ファクタリング会社、ファクタリング利用会社、そして売掛先企業の間で行われる売掛債権現金化です。
最大の特徴は、「売掛先・取引先に同意を得た上で現金化」することでしょう。
自社にとっては資金繰りの大変さや資金のやり繰りでの工面を、取引先に開示することになるので、知られたくないという方には無理におすすめとは言えません。
とはいえ、メリットが大きいのも事実です。
まず自社は取引をして、売掛債権を発生させます。
その上でファクタリング会社に相談し、売掛債権の譲渡を行います。
ここまでは2社間と同じです。
次に自社は「債権を譲渡した」ことを売掛先の企業に通知するのです。
ここは書面の「債権譲渡通知書」で行うことが一般的とされています。
債権譲渡は、債務者の同意がなくても譲渡が可能です。
これは債権法という法律でも決まっています。
これらをふまえ、ファクタリング会社は現金を自社に支払うことが可能となります。
売掛先・取引先の支払い代金は、ファクタリング会社に振り込まれることになり、取引は完了となるのです。
3社間ファクタリング最大のメリットは「手数料が安い」。
この点にあります。
これはファクタリング会社からの視点を考えれば、非常に納得が出来る話です。
ファクタリング会社の最も回避しなければならないリスクは、譲渡された売掛債権を現金化したあと、そのまま持ち逃げされてしまうことです。
3社間の場合、そのリスクはかなり小さくなります。
売掛債権の確認も取引先から出来るので、お金の在処は常にわかる状態になるのです。
加えて、「3社間ファクタリング」は現金化できる幅が大きくなります。
2社間の場合は300万円と制限がかけられること自体、珍しくありません。
3社間の場合は、その大きさが2社間よりも制限がなくなり、現金化しやすくなります。
加えて代金回収や売掛金の管理が必要なくなります。
これらは全て、ファクタリング会社に任せることになるからです。
「2社間」「3社間」それぞれのファクタリングにメリットとデメリットがあります。
では実際に利用する際に考慮すべきポイントは、どのような点でしょうか。
まず長い目で考えるのであれば「取引先との信用」です。
取引先無くしては商売そのものが立ち行きません。
3社間の場合は、自社がまず頭を下げ、債権譲渡の通知をすることになります。
その際に「この会社は危ないのかもしれない」と思われては取引が途切れる可能性もあるのです。
信頼性は大事にすべきでしょう。
また、「支払日までに本当に資金が必要か」という冷静な視点も必要です。
会社の経営は慎重に行いたいと誰もが考えます。
だからこそ、先の心配をしてファクタリング会社に現金化を依頼するのです。
しかし、本来のサイクルであれば問題なく資金繰りは出来るものでしょう。
何らかの事情やトラブルが発生した場合の利用は必要ですが、常態化することは好ましくありません。
また、ファクタリング会社と契約する際には、手数料の率と現金化スピードを見逃さないようにしましょう。
特に3社間の場合、回収が遅くなると素早く現金を手にすることが難しくなります。
手数料率も、あまりにも高額である場合は今一度考え直して、それから本当に契約すべきか考慮すべきです。
ファクタリングによる資金繰りは、国でも支援されている法的に問題のない取引です。
今月現金さえあれば、と言う時には間違いなく使ったほうが良いサービスと言えます。
インターネットには複数のファクタリング優良企業の口コミ情報などが掲載されています。
金銭のやりとりが発生するからには、こうした部分の細かい点もチェックした上で、ファクタリングの契約を進めることが大切です。
ファクタリングを正しく理解していれば、2社間・3社間どちらの方法であっても問題は発生しにくいものです。
まずはしっかりとファクタリングを理解しましょう。